建設キャリアアップシステム(CCUS)についての概要
現在、国土交通省の方針での中に建設キャリアアップシステム(CCUS)を普及があります。これは、システムに登録した一人ひとりの技能者に対し、IC カード(建設キャリアアップカード)を交付し、いつ、 どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのかを、日々の就業履歴として電子的に記録・蓄積するものです。同時に、どのような資格を取得し、あるいは講習を受けたかといった技能、研鑽の記録も蓄積できるものである。 こうして蓄積された情報をもとに、最終的にはそれぞれの技能者の評価が適切に行われ、処遇の改善に結びつけること、 さらには人材育成に努め、優秀な技能者をかかえる専門工事業者の施工能力を見えるようにすることで、意欲のある優秀な人材にとって魅力ある産業となるためのシステムである。
◎元請のメリット
新規入場や建退協や安全書類等の事務処理が簡単になる
公共工事の際は加点対象となる自治体もある
経営審査事項の加点になる
施工能力の見える化
出面管理が簡単になる。
◎元請のデメリット
登録の手間がかかる。理解する時間がかかる
利用料金がかかる。
◎技能者のメリット
技能を適正に評価され処遇改善につながる
自身のキャリアを簡単に証明できる
退職時の建退共掛け金を漏れなく積立ができる
◎技能者のデメリット
登録の手間がかかる。メリットを説明する時間が必要
利用料金がかかる。
建設キャリアアップシステムを普及させるための課題
私の現場事務所で元請として実際にキャリアアップシステムの設備を整えて1年間工事に従事しましたが、本工事での下請負業者において建設キャリアアップシステムのICカードを所持している人が誰一人いませんでした。このシステムは、元請負会社のメリットよりも技能者のメリットのほうが高いため、元請としては設備を整えるのみで、積極的に下請負会社に準備するように指導することはしませんでした。ただ、この制度は技能者のためにあるものなので、技能者の方々がしっかりと有効性を理解しなければ普及されることは困難であると考えられる。キャリアップシステムが普及されることで安全書類や施工体制台帳や新規登録、建退共等の業務が簡素化されることを私は願います。
2023年度よりキャリアアップシステムの義務化
国土交通省は2023年から直轄工事、自治体工事、民間等のすべての工事において建設キャリアアップシステムの義務化を目標にしている。現在、試行中のため中々広がっていないが、本格的に建設業全体で動いていかなければない。義務化を行うことで技能者は登録せざるを得ない状況になるため、普及していくことが期待できる。
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