論文例 選択1 土工関係「ヒービング・ボイリング」

土工

1.仮土留工での掘削面の安定に影響を与える現象

①ヒービング

1)概要

 軟弱な粘性土質地面で仮土留工を行う場合に生じる恐れのある現象である。掘削背面の土砂の重量が掘削底面の地盤支持力を超える事で、土砂が背面から掘削底面に流れ込み、掘削底面の隆起や土留め壁のはらみ、周辺地盤沈下等により仮土留崩壊に至る恐れがある。

2)対策

 掘削底面の強度を増加させるために、薬液注入等の地盤改良を実施や、土留壁の根入れを深くすることで掘削底面を安定させる。

②ボイリング

1)概要

地下水の高い砂質系の地盤で生じる恐れのある現象である。遮水性の高い土留を行った場合に掘削面と土留背面の水位差により上向きの浸透水が生じる。この浸透水が土の有効土圧を超えると、掘削底面から水が沸き上がり、地盤のせん断抵抗を失う。急激に土留安定性が失われて、周辺地盤の沈下や土留の崩壊に至る恐れがある。

2)対策

 地下水位低下工法で地下水を低下させることや薬液注入工等により遮水層を設ける対策が有効である。

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