論文例　選択１　土工「軟弱地盤盛土での対策工」

１．軟弱地盤に盛土する場合の対策工について

①圧密排水工法

　地盤の排水や圧密促進により、地盤の強度を増加させることで、併用後の残留沈下量を低減する。代表例として「サンドドレーン工法」について説明する。

１）目的：透水性の高い砂を用いて砂柱を地盤内に鉛直に造成して、間隙水の水平排水距離を短くして、粘性土層中の圧密沈下促進と地盤強度の増加を図る。

２）施工上の留意点：ケーシングの引抜速度は十分余裕を持ち、サンドドレーンが切れ目なく施工できるようにする。バイブロハンマ式サンドドレーンではケーシング圧入時に周辺地盤や構造物に悪影響を及ぼすことがあるので、遮断用トレンチ等の対策を施す。

②固結工法

　添加材を土と混合し、化学反応を利用した地盤を固結する工法である。代表例として「深層混合処理工法」について説明する。

１）目的：主としてセメント系の添加材を地中に供給して、軟弱土と攪拌混合して、安定処理土を形成して地盤の安定性を増大させる。

２）施工上の留意点：改良体の強度は固化材の量や攪拌混合の良否に影響を受ける。セメント系固化材を使用する場合は、pHとともに六価クロムの溶出に留意する必要がある。