技術士2次試験口頭試験対策

口頭試験

技術士2次試験口頭試験について

技術士2次試験の筆記に合格すると次にやってくるのは口頭試験です。やっとの思いで筆記試験に合格しても、口頭試験に不合格になってしまうとまた筆記試験からやり直しになります。筆記試験合格を周囲に報告すると、「口頭試験はほとんど落ちないから合格したようなもの」と言われたりすると思いますが、技術士2次試験の筆記に合格した人でさえ1割程度不合格になってしまうほどの試験であることを心に留めておく必要があります。とはいっても、油断をせずにしっかりと準備すれば合格できます。また、口頭試験の準備にあたってよくある質問をしっかり準備しておくことが重要です。よくある質問に対しての解答をしっかり身に着けるとともに、面接練習を最低3回以上行う必要があります。3回面接練習を行えば、自分の弱点や覚えていないところや予期しない質問に対しても回答することができるようになり、十分本番に挑める体制に持ちこめるようになります。まずはよくある質問の解答を自分の経験をもとに書き上げましょう。また、技術士に求められるコンピテンシーをしっかりと熟読してください。それをイメージしながら回答例を作成することで求められる技術士像が思い浮かんできます。

◎面接の際のコツ

1.自信をもって大きな声で!

2.端的に返答を行う!

3.不明な点は質問する!

4.わからないことは素直に認める!

5.前日深酒はしない!

6.遠方の人は前泊を行う。

(1)業務遂行能力(コミュニケーションおよびリーダーシップ、評価およびマネジメント)

Q1業務経歴と業務経歴詳細(論文)の説明(3分程度)

技術士2次試験申し込みの際に記載した業務経歴や業務経歴詳細(論文)の説明を3分程度求められることが多いです。面接官は紙でもっているので、文章をただ暗記して読むのではなく、簡潔に自分が技術士としてふさわしい人材であることがアピールできることをピックアップして説明するとよいでしょう。

Q2受験動機はなんですか?

自分の技術力向上だけでなく社内外の信頼確保のため等自分以外の利益をもたらすような言い回しが入っていると印象はよくなると思います。技術士は国民のためや科学技術の向上と経済の発展のためにあります。

Q3失敗例を挙げてください

ただ失敗しただけでなくそこから学んで今につながっているような内容がいいです。

Q4成功例を挙げてください。

成功した要因をはっきりさせておくこと、また次はさらなる改善を示せるようにする。

Q5印象に残った事象

上記の失敗・成功例を絡めてもよいと思います。

Q6合格後の抱負は?

志望動機にもつながると思いますが、技術士を目指す方ならその先の目標は持っていると思いますが、

出世したいとかの内容よりも、国交省白書等で記載されている国の方針に対して自分自身が携われることに積極的に参加するような内容にすること。(例えば:社内の働き方改革推進やカーボンニュートラルの材料の積極使用等々)

Q7あなたの組織で技術士はどう活用されますか?

大型案件への配属や顧客への信頼の証明や社内の各現場への技術提案や若手技術教育等の社内技術力の強化や働き方改革推進に携われる等の実際の社内で活用されている方法を述べてください

Q8技術士を取得した際の優遇処置は?

資格手当等があればしっかり答える事。把握していないと印象がわるくなるかも。

Q9論文の発表はありますか?

土木学会等や社内の技術研究発表等のことを質問しています。しっかり準備しておきましょう。

Q10(小論文)業務内容の詳細ですが、この事象を選んだのは何ですか?

受験部門・科目にかかる専門技術力が発揮された事象であると考えたから等

Q11-1(小論文)この業務で技術士にふさわしいと思う点はどこですか?

この質問はとても重要な質問です。しっかりと準備しておきましょう。

Q12-2(小論文)なぜ上記のようなことをあなたはできたのですか?

上記につながる内容です。

Q13(小論文)この業務においてあなたが発揮した専門分野においての専門技術力は?

Q14(小論文)提案の短所はなんですか?

Q15(小論文)この提案以外に解決策はありましたか?

Q16(小論文)この業務は委託にだしましたか?

Q17この業務あるいはこれまでの業務でどうゆう具合に「コミュニケーション」をとってきましたか?

関係各所との打ち合わせや説明等のコミュニケーションをとる際に事前に写真や図面やイラスト等の誤認をしないような視覚的にわかりやすい資料や根拠資料の準備と打ち合わせ目次を作成します。打ち合わせ後、打ち合わせ目次にそって議事録を作成し関係各所と共有を行うことで、誤認の無い潤滑なコミュニケーションをとるようにしてきました。

Q18この業務あるいはこれまでの業務でどうゆう具合に「リーダーシップ」をとってきましたか?

業務を潤滑に進めていく上で必要な要素として、利害関係者との調整によるトラブル防止です。

利害関係者とのリスクコミュニケーションを行う際に、一度に相手の立場になって考えて、不安要素を予測する。その対応を準備したうえでさらに相手に要望を聞き調整取りまとめを行うことで、潤滑に業務を進めてきました。

Q19今まで経験した業務の中で、成果物の要求事項を満たすため、人員、設備、金銭、情報等の資源を配分されていると思いますが、具体的な事例はありますか?(マネジメント)

Q20この業務の現時点での評価と今後の展望を述べてください(評価)

Q21PDCAとは何ですか?

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(是正)を繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法のことです。

Q22この論文以外に技術士としてふさわしい業務を2例選んで簡単に説明してください。

Q23 実務経験が少ないのでどのように補っていますか?

Q24 技術士の先輩や上司はどんな感じ?

(2) 技術士としての適性(技術者倫理、継続研さん)

Q1 3義務2責務を言ってください(必須です確実に覚えてください)

(信用失墜行為の禁止)

第四十四条 技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

(技術士等の秘密保持義務)

第四十五条 技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。

(技術士等の公益確保の責務)

第四十五条の二 技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。

(技術士の名称表示の場合の義務)

第四十六条 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。

(技術士の資質向上の責務)

第四十七条の二 技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。

Q2 いままで行ってきた業務では倫理面はどのように考えてきたか具体的に教えてください。

土木構造物が公共の安全と環境の保全を損ねることがないように最優先で考えて業務を行ってきました。

Q3 公益と事業要求(品質やコスト、工期)とのトレードオフについて取り組んだ事例はありますか

Q4 3義務2責務の中では何が一番大切だと思いますか?

 一番大事なのは公益の確保

Q5 信用失墜行為の禁止をわざわざ法でうたっている理由は何だと思いますか?

 技術士法制定過程からも信用を失ってしまうと技術士の価値はなくなる。そうなると技術士法の目的が達成できない。技術者にとっての「信用」とは、専門職技術者であるがゆえに公衆から「任せられた信頼」であり、その信頼を絶対に裏切ってはいけないからである。

Q6 守秘義務は誰に対してのものですか?

直接的・間接的に影響を受ける人々や団体などの利害関係者

Q7 名称表示の場合の義務の主旨は?

名称表示の場合の義務は、技術士として業務に携わるときは技術士というだけでなく部門まで名乗る必要があるということですが、なにの専門のプロなのかを明確化するためです。

Q8 公益とは何ですか?

公共の安全や環境の保全等の社会を構成する人々全員に関わる共通の利益。

Q9 あなたの職務上、公益確保反することがあるとするとどのようなことですか?

施工数値の偽装や捏造、事故などの隠ぺい等が考えられます。

Q10 公益の確保と守秘義務のトレードオフになることがありますが、それはどういうようなことですか

守秘義務のなかで「正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。と」記されているが「公益最優先」のために公益が損なわれる等の正当な理由があれば「公益通報」を行う必要があることです。

Q11 もし公益に反する行為を強制されたらどうしますか?

  • 事実関係を調査検証し、②問題に確証が持てた場合は③関係者に改善や再発防止などの処置を説得し④説得に応じてもらえない場合は、⑤しかるべき機関に公益通報を行う。

Q12 内部告発についてあなたを守ってくれる法律があるのを知っていますか?

 公益通報者保護法です。公益通報を行った人が保護される内容が規定されています。

Q13 資質向上のために日頃は何を行っていますか?

建設情報誌(日経コンストラクション)の購読や社内の技術論文集を読んでいます。

また、業務で必要な文献等はあらかじめ取り寄せて熟読してから施工を行っています。また、現在コロナ渦のためセミナー等に足を運ぶことは難しいため、オンラインセミナーの受講を行っています。

Q14資質向上の責務を怠るとなぜ反倫理とまで言われるのでしょうか?

 技術力が 陳腐化(チンプカ)すると、例えば基準を満たさず公衆の安全が守れないインフラ整備をしたり、重要な植物を伐採してしまって環境の保全に反したり、公益確保できないことになる可能性があるからである。

Q15 反倫理行為の事例を挙げてください。

マンションの杭の偽装問題や耐震補強工事の鉄筋不足や免震ダンパーの検査データ改ざん事件が上げられます。

Q16最近、技術者倫理に反していると思われる事例が多いですが、その背景には何があると思いますか?

近年は過密業務や経営切迫、担い手不足等々、反倫理的行動に走りやすい原因が増えてきていますが、そのような中で私益を公益より優先させてしまったことが原因であると考えます。

Q17技術者倫理要領を知っていますか?

技術士倫理要領における基本網領(必須です確実に覚えてください)

  • 公衆利益の優先

 技術士は、公衆の安全、健康および福利を最優先に考慮する。

  • 持続可能性の確保

 技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。

  • 有能性の重視

技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。

  • 真実性の確保

 技術士は、報告、説明または発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。

  • 公正かつ誠実な履行

 技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。

  • 秘密の保持

 技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。

  • 信用の保持

 技術士は、品質を保持し、欺瞞的(ぎまんてき)な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。

  • 相互の協力

技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。

  • 法規の順守等

 技術士は、業務の対象となる地域の法規を順守し、文化的価値を尊重する。

  • 継続研さん

 技術士は、常に専門技術の力量ならびに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。

Q18 罰則には何がありますか?

技術士法には行政罰と刑事罰があります。

行政罰は、過度の義務責務不履行の場合調査の上で資格はく奪や名称使用禁止がなされます。

刑事罰は、守秘義務違反で1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。守秘義務のみに刑事罰があることは被害者が特定できて告訴されることがあるからです。

Q19 CPDとは何ですか?なぜ必要だと思いますか?

CPDは継続研さんを記録するシステムで、自己研さんを記録し第3者へ証明することが出来るシステムです。 

Q20 CPDの年間単位目標はご存知ですか?

年平均50単位時間、3年間に150単位時間(APECエンジニアは更新申請前の過去5年度に250単位時間)です。

Q21 あなたは現在CPDをどれだけ持っておられますか?

 CPDはこれから登録しますが、それ以前から他の資格試験取得を行うことや、建設情報誌(日経コンストラクション)の購読や社内の技術論文集を読んでいます。

また、業務で必要な文献等はあらかじめ取り寄せて熟読してから施工を行っています。また、現在コロナ渦のためセミナー等に足を運ぶことは難しいため、オンラインセミナーの受講を行っています。

そのため、年間50単位以上は継続研さんを実施しています。

Q22 あなたは今後どうやってCPDを取得していきたいですか?

 近々としてはコロナ渦であるためオンラインセミナーの受講を引き続き行っていきたいと思います。また、これからも、建設情報雑誌の購読や社内技術論文の読書や社内外の論文発表等を行っていきたいです。さらに、資格試験の取得に励んで更なる技術力向上に努めていきたいです。

Q23 たとえば社会学や英会話はCPDにあたりますか?

当たります。専門分野もですが、それ以外の情報収集や能力向上は技術者にとって重要であると考えます。また、

Q24 技術士法はなぜ必要であると思いますか?

科学技術の向上と国民の経済の発展のためには業務の適正化が必要であるためです。

Q25 技術士とはなんですか?

技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行うものです。

技術士法

  • この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もって科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。
  • この法律において「技術士」とは、登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行うものをいう。

Q26 技術士のアカウンタビリティ(説明責任)とはどのようなものですか?

科学技術に関する専門的な内容を、公衆に対して誤解のないようにわかりやすい説明をすることが技術士に求められます。

Q27 技術士と同様の外国資格を知っていますか?

アメリカや韓国などのPE、イギリスのCE

PEは「プロフェッショナル、エンジニア」基本はPE

CEは「チャータード・エンジニア」女王陛下がチャーターするという意味

Q28国際相互認証資格を知っていますか?

APECエンジニア、IPEA国際エンジニア

(1)APECエンジニア

企業活動の国際化と共に、技術士も日本国内のみならず広く海外で活躍する機会が増えてきています。
APECエンジニア登録制度は、APECエンジニア相互承認プロジェクトに基づき、有能な技術者が国境を越えて自由に活動できるようにするための制度として創設されました。

(2)IPEA国際エンジニア

国際エンジニア協定(International Professional Engineer Agreement:以下IPEA)に加盟している各エコノミーの技術者団体は、加盟エコノミー間で合意された一定の基準を満たす技術者を、各国において国際エンジニア登録簿(International Professional Engineer Register)に登録を行うこととしています。
わが国においては、これに登録された技術士をIPEA国際エンジニア、その英文称号を IntPE(Jp) と呼ぶこととしています。

Q29 2次試験受講には1次試験の合格かJABEE修了が必須になっているのはなぜですか?

平成12年度の改正時に国際対応の中で技術士の資質能力に高等教育が加わったから(ワシントンアコード)

従来は技術力と倫理が条件だったが、ここに高等教育が加わりました。そのため、認定された高等教育課程であるJABEEを修了していることが2次試験を受講する条件になった。そしてJABEEを修了していない人のために、1次試験に合格すればJABEE修了相当と認めるとゆうことになったのである。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

専門的学識

・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる線も知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。

・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

問題解決

・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。

・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)

それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮したうえで、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

マネジメント

・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

評価

・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

コミュニケーション

・業務履行上、口頭や文章等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

・海外における業務に携わる際は、一定のご核力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

リーダーシップ

・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者との利害等を調整しとりまとめることに努める事。

・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努める事。

技術者倫理

業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮したうえで、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代にわたる社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。

・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

継続研さん

・業務履行上必要な知見を深め、技術を習得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うこと。

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